結論から言うと
FAXは今も日本、ドイツ、米国、カナダで日常的に使われており、オーストラリアやヨーロッパの医療現場の一部にも残っています。ほぼどこでも数字は減っていますが、そのスピードは同じではありません。ドイツはわずか1年で大きく落ち込んだ一方、米国の病院はほとんど変わっていません。
理由は、古い機械への愛着というより、回線の向こう側にあります。やり取りする役所や病院、取引先が今もFAXを前提としているから、人々はFAXを使い続けているのです。
国別のFAX利用状況:最新の割合
FAXに関する世界的な統計は存在しないため、以下の数字はそれぞれ別のものを測っています。日本は世帯、ドイツは企業、米国は病院です。国同士を順位付けするためではなく、各国の状況を把握するための数字としてご覧ください。
| 国 | 最新の数字 | 測定対象 | 年 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 23.6% | FAXを保有する世帯 | 2025 |
| ドイツ | 18% | 日常的にFAXを使う従業員20人以上の企業 | 2025 |
| 米国 | 受信81%、送信74% | 診療記録のやり取りに郵便またはFAXを「よく」または「ときどき」使う病院 | 2025 |
| カナダ(オンタリオ州) | 88% | 患者情報の共有に今もFAXを使っていると推定される医師 | 2025年に引用 |
| カナダ(マニトバ州) | 85% | 今もFAXまたは郵便で送られている診療依頼 | 2026 |
| オーストラリア(タスマニア州北西部) | 53.4% | 書簡の主な送付手段としてFAXを選んだ医療従事者 | 2018 |
英国、フランス、韓国、オーストラリア全体については信頼できる全国的な割合が見つからなかったため、表には含めていません。きれいに整った世界ランキングを見かけたら、疑ってかかるほうがよいでしょう。
日本:世帯は減ったが、今も4世帯に1世帯
日本は、FAXが家庭用品として定着している唯一の主要国です。総務省の通信利用動向調査によると、保有率は着実に下がっています。
- 2011年:世帯の45.0%
- 2020年:33.6%
- 2024年:24.5%
- 2025年:23.6%
残っている利用の多くは年齢で説明できます。2025年のデータでは、世帯主が20代の世帯でFAXを保有しているのはわずか1.0%で、40代では14.1%、60歳以上では30%を超えています。地域差も大きく、奈良県の33.7%から沖縄県の9.1%まで幅があります。
使われ続ける理由:FAXは手書きのメモや図を送るのに向いており、高齢者にも使いやすく、学校、クリニック、地方の役所も長年FAXに頼ってきました。これをすべて変えるのは難しいことがわかっています。2021年に政府が中央省庁からFAXをなくそうとした際には、各省庁から約400件の正式な反対意見が寄せられました。
ドイツ:最も急速な減少
「ドイツ企業の4社に3社がFAXを使っている」という数字を今も目にすることがあります。かつては事実でしたが、もはやそれだけでは実態を表していません。ドイツのデジタル業界団体Bitkomには参考になる2つの調査系列があり、どちらも減少傾向にあります。
- 少しでもFAXを利用:2018年は企業の95%、2022年は88%、2023年は82%、2024年は77%。
- 日常的にFAXを利用:2023年は33%、2024年は30%、2025年は18%。
2つの調査は質問の内容が異なるため、77%から18%への1回の減少として読まないでください。どちらの調査も従業員20人以上の企業が対象です。
使われ続ける理由:役所とのやり取りです。Bitkomの2024年の調査では、今もFAXを使っている企業の56%が、官公庁との連絡にFAXは避けられないと答えました。デジタル手段より安全だと考えていたのはわずか7%で、バックアップとして残しているのは6%でした。また、その多くはすでに古い機械を手放しており、72%がメールのように届くデジタルFAXを利用しています。
米国:医療がFAXを支え続ける
米国で最もはっきりした数字が得られるのは病院です。米国病院協会(AHA)のIT調査に基づく連邦政府のデータは、病院が外部の組織と診療情報の要約を郵便またはFAXでどのくらいやり取りしているかを示しています。調査では郵便とFAXをまとめて扱っているため、これらはFAXだけの数字ではありません。
| 郵便またはFAXを「よく」または「ときどき」使う | 2018 | 2023 | 2025 |
|---|---|---|---|
| 記録の送信 | 71% | 67% | 74% |
| 記録の受信 | 76% | 75% | 81% |
同じ期間にデジタルネットワークも大きく広がりましたが、2023年から2025年にかけて郵便とFAXの利用はむしろ増えました。新しいシステムはFAXに取って代わったのではなく、FAXと並行して追加されてきたのです。
使われ続ける理由:病院ではさまざまな記録システムが使われており、どのシステムともつながっていない小さなクリニックにもFAX番号なら届きます。また、FAXはHIPAAのもとで認められた手段であるため、法律上やめる圧力もありません。こうした規制については、法律や金融の分野とあわせて企業がFAXを使い続ける理由の記事で解説しています。
カナダ:州ごとの課題
カナダでは医療を州が運営しているため、全国的な数字はひとつもありませんが、手に入るデータはどれも同じ方向を示しています。
- オンタリオ州:医師の推定88%が患者情報の共有に今もFAXを使っており、州保健省はその総数を年間約1億5,200万件としています。2023年、州は5年以内にFAXを置き換えると表明しました。
- マニトバ州:2026年1月のDoctors Manitobaによると、診療依頼の85%が今もFAXまたは郵便で送られており、同僚と電子的に情報を共有できる医師はわずか19%です。
使われ続ける理由:デジタルの紹介状に移行した医師も、まだ移行していない相手にはFAXを送らなければならないため、どのクリニックも両方を運用することになります。オンタリオ州医師会(OMA)は、FAXを一夜にして廃止すれば医療システムが「大混乱に陥る」と警告しています。
英国、オーストラリア、オーストリア:FAX廃止への取り組み
医療分野で強制的にFAXをなくそうと決めた国もありますが、結果はまちまちです。
- 英国:2018年に英国王立外科医師会がイングランドのNHS病院トラストで8,209台のFAX機を確認すると、政府は2019年1月から新規購入を禁止し、2020年3月31日を使用停止の期限としました。2019年に最大の利用者を調べたところ、撤去された機械は42%にとどまっていました。それ以降の全国的な集計は見つかっていません。
- オーストラリア:タスマニア州北西部での2018年の研究では、医療従事者204人のうち53.4%が書簡の主な送付手段としてFAXを使っており、そのうちGP(一般開業医)とGP研修医では92.4%に上りました。1つの地域の古いデータですが、全国的な数字はほとんどありません。My Aged Careは2023年にFAXによる紹介の受付終了を発表しました。
- オーストリア:健康データのFAX送信を認める例外規定は2025年1月に終了し、2026年6月30日までの移行期間と最大10,000ユーロの罰金が設けられました。滑り出しは順調ではありませんでした。ドイツのメディアは、レントゲン画像や医師の書簡がUSBメモリに入れられ、宅配便やタクシーで運ばれていたと報じています。
FAXがなくならない4つの理由
国は違っても、同じいくつかの原因が繰り返し現れます。
- 相手が求めている。FAXがなくなるのは、相手がFAXを求めなくなったときだけです。官公庁のせいで選択肢がないと答えた、FAXを使うドイツ企業の56%がまさにそれです。
- システムの違いを越えて届く。どのFAX番号からでも、共通のソフトウェアやログイン、契約なしに、ほかのどのFAX番号にも届きます。多くのデジタル医療システムは、いまだに同じことができません。
- 法律と習慣は変わるのが遅い。書式、規則、業務の手順はすべてFAXを前提に作られてきました。日本ではフロッピーディスクを廃止するだけでも1,000以上の規制を撤廃する必要がありました。
- 残っている利用者は高齢層。日本の年齢別の数字がそれをはっきり示しています。今後の減少の多くは、誰かが説得されることではなく、世代交代によってもたらされるでしょう。
これらの国にFAXを送る必要があるときは
FAX機を持っていなくても、東京のクリニック、ドイツの役所、米国の病院の記録管理部門などからFAXを求められることがあります。機械は必要ありません。unofaxなら、PDFをアップロードして番号を入力し、ページ単位で支払うだけで、最後に配信確認が届きます。料金は1ページ$0.59 AUDで、アカウント登録もサブスクリプションも不要。日本、ドイツ、米国、カナダ、英国、オーストラリアなどに送信できます。国番号や番号の書式については、海外へFAXを送る方法のガイドで解説しています。
まとめ
FAXは縮小していますが、そのペースは一様ではありません。日本ではおよそ4世帯に1世帯が今もFAXを持ち、ドイツで日常的にFAXを使う規模の大きい企業は5社に1社未満、そして米国の病院やカナダの医師の大半は、少なくとも一部の記録で今もFAXや郵便に頼っています。回線の向こう側の窓口がFAXを求め続ける限り、FAXは残り続けるでしょう。